ヒトの顎関節

投稿日:2023年8月15日

カテゴリ:勉強会

今、勉強している咬合と顎関節に関して。

進化的に2足直立歩行という行動形態を獲得したヒトの顎顔面骨格は、形態的・機能的に大きく変化し、顎関節も大きく変化しました。

詳しいことは割愛しますが、霊長類の顔面頭蓋の姿勢が前下方を向いているのに対して、ヒトにおける顔面頭蓋の整直した姿勢では顎関節に構造的弱点があります。

これは、ヒトが進化的な時間軸で見ると比較的急速に直立したことによって、顎関節の形態変化が追いつかなかったのではないかと考えられます。

ヒトの関節はどれも加齢と共に負荷が加わり骨関節症という問題に直面します。
例えば、変形性膝関節症は50歳以上の女性で約75%、男性で約54%の発現率であると報告されています。
それに対して顎関節症は10代後半で30%以上、不正咬合患者では70%以上が何らかの症状を抱えていると報告されています。

これだけ他の関節に比べて問題が起こりやすい顎関節と、咬合との間にどのような生理的関係があるか。
診断も治療もとても難しい分野ではありますが、とても勉強をする価値があるものだと思います。

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