痛みの原因となっている歯がどこか自分ではわからない!?

投稿日:2015年5月20日

カテゴリ:治療

こんにちは、歯科医師の加藤陽一郎です。

なんとなく上の歯が痛い気がするのに、歯医者に行ったら、下の歯が原因だと言われた…そんな経験ありませんか?

これは、特に珍しいことではありません。

なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。。答えは神経の走行にあります。

まず知っていて欲しいのは、痛みというのは、損傷(もしくは刺激)を受けた部位で感じるものではなく、神経伝達によって、”脳で”痛いと感じているということです。

歯の神経(歯髄)について考えてみましょう。歯の神経は、左右で大きな神経に分かれて脳に繋がっています。つまり、左であれば、左上と左下の歯の大元の神経は同じなのです。

ここで、わかりやすいように、例を挙げてみましょう。椎間板ヘルニアで座骨神経痛の症状が出ると、原因は背骨にあるのに、症状は足のしびれなどとして出てくることがあります。

これからもわかるように、痛みの直接の原因の部位ではなく、その神経のライン上の他の部分の痛みとして感じることがあるということですね。

これは、患者さん自身を迷わせるだけではなく、歯科医師としても患者さんの痛みを訴えている部位だけを診ていてはいけないということにも繋がります。木を見て森を見ずの診療にならないように気をつけなくてはいけませんね。