歯間離開への対応

投稿日:2023年1月25日

カテゴリ:治療

歯と歯の間に隙間がある状態を歯間離開といいます。
歯間離開に対しての処置方法として私の中ではコンポジットレジンが第一選択になることが多いです。

その実際の臨床手順をご紹介します。

上の写真が術前の状態です。
向かって右側(青丸の歯で、ご自身の歯としては左上の前歯になります)の前歯が天然歯で、向かって左側(赤丸の歯で、赤丸の歯は二つが連結されています)の歯はセラミックの歯が入っていました。

セラミックの歯の方が若干幅が広かったので、青丸の天然歯の幅を広げることでこの隙間を補償することにしました。
コンポジットレジンは歯質と強固に接着するので、天然歯への介入だけで済んだのは幸運でした。

ここからは私の視点と同じ写真で紹介するので、上下が逆になります。
前の写真の青丸と赤丸がそれぞれ対応しています。
ラバーダムというゴムのシートで呼気に含まれる水分を遮断して、接着に有利な状態で行います。

側面に古いレジンが充填してあったので、除去しました。
基本的には、虫歯はもちろんですが以前の治療で詰めてある材料は除去します。

細かい話になってしまいますが、この青い薬剤などが、歯にレジンをしっかりと接着させるための前処理です。
少し前のブログで書いたように、材料を接着させるためには専用の処理をする必要があります。

その都度、適切な器具を使って充填していきます。
このケースでは片側だけの充填だったので、複雑な器具を使う必要はありませんでした。

充填が終わったところ。

形態修正と研磨が終わった状態です。
ラバーダムを装着すると歯が乾燥するので、天然歯の部分は少し白っぽくなっています。
湿潤状態に戻ることで徐々に色が戻ってきます。

このように、歯間離開に対して、歯の切削量は必要最低限での形態回復が行えたと思います。

これらの写真は患者さんの同意を得た上で掲載しております。